今朝は優しい女性の声で起こされた。
薬の時間ですよ・・
いつも5時に起きているが、二度寝してしまったようである。
久しぶりの女性の声での目覚め・・
たまには、いいものである。
まぁ、起こされなくても5時半に隣の爺さんの目覚ましがなる。
でも、かなり目覚めの後の気持ちが違う。
隣の爺さん、病気も治って退院できる状態である。
ただ、長く寝ていたので、歩くのに苦労している。
家庭で引き取るといえば退院できるのだが、奥さんはこの状態で帰られても困るという。
本人も帰りたくないようである。
歩けるように一日二回リハビリ室に通っているが、動くのはその時だけである。
後はひたすら寝ている。
着替えくらいは自分でしなさいよと奥さんに言われているが、まだまだである。
全て、ナースコールで用を済ませている。
元気になりたければ、少しでも自分で体を動かさないといけない。
私も長く寝ていた後に言われたことは、ベットに腰掛けているだけでリハビリになると言われた。
顔を洗うために洗面所に行くだけでもリハビリになる。
トイレも然りである。
しかし、この爺さん、朝はタオルで顔を拭いてもらっている。
トイレも尿瓶で済ます。
大の時はさすがに歩いていく・・
とにかく、動かない。
しかし、食欲は旺盛なようで、ぶくぶく太っている。
ますます、体重が増えて歩きにくくなっているようである。
退院したくないのだろうか・・
退院しても楽しみがないのかもしれない。
家庭は冷たそうである。
優しく若い看護婦さんに囲まれて暮らす今の生活の方がいいのだろう。
しかし、「楽する」と「楽しい」とは意味が違う。
少し頑張って歩くようになると、未来は開けてくると思うのだが・・
本人にはサラサラその気はない。