寒い朝である。
こんな朝はカフェラテに限る。
しかし、カフェラテのスティクは品切れである。
諦めきれないので、コンビニでカフェラテを買ってきた。
前回は、貧乏性を出して砂糖を入れてしまったが、今日は入れなかった。
ミルクが入って、ちょうどいい甘さである。
買う時に間違って、サイズをMと言ってしまった。
小さい奴はRであった。
この会話を聞いていた前の客は間違って、RのところをLを押して容器からコーヒーが溢れさせていた。
心の中で私を笑っていたからであろう。
昨日から新しい住人がまた増えた。
今度は91歳の爺さんである。
体力的にはまだ70歳だと医者が感心していた。
ただ、頭の方は年相応で、いいボケ味を出している。
朝からボケを振りまいている。
起きてすぐ血液検査の採血を受けていた。
しかし、爺さんはずっと血圧の話を看護婦さんにしている。
話がかみ合わない。
医者が血圧の薬を取り上げたと文句を言っていた。
入院中は医者が飲む薬を決めることを知らないようである。
そのあと、寒い、寒いと言い出した。
寝る前は、暑い、暑いとずっとぼやいていた。
そして、家族が必要なものを持ってこないと文句を言っている。
全て、独り言である。
とにかく、話したいようである。
歩くときもイチ、ニィと号令をかけて歩いている。
先ほど、検尿が終わったが、その容器の置き場所を探している。
説明を受けたばかりなのに、もう忘れている。
どこだ、どこだとつぶやきながら、容器を持って廊下を徘徊している。
こぼさなければいいのだが・・
とにかく話していないといけないようである。
今もつぶやき続けている。
何か探し物をしているのだろう、どこだ、どこだと呟いている。
長生きのコツは、ずっと話し続けることかもしれない。