昨夜は、「おとうさぁ〜ん」という呼び声で目が覚めた。
声は個室から聞こえてくる。
婆さんである。
ずっと、呼んでいて、疲れると止まる。
その繰り返しであった。
寂しいのであろう。
特に、個室の夜は寂しい。
しかし、「おとうさん」と呼ぶのはやめてほしい。
自分が呼ばれているようで、返事をしたくなる。
できれば。「パパァ〜」とか、「ダディ〜」であればいいのだが・・
今日も、馬鹿な患者は全開でアホを振りまいている。
見事に6時ちょうどにひげ剃りを始めている。
時計を見て、始める時を決めているのだろうか・・
その後、洗面所に行った。
彼は。歯を磨く洗面台と、顔を洗う洗面台を変えている。
これも意味がよくわからない行動である。
その後、体温を測った。
体温計を持って、遠くにいた看護婦さんのところに行き、体温を報告していた。
昨日は廊下で看護師さんの住所を聞いていた。
自分の家の近くに住んでいたら、作った野菜をあげようと言っていた。
迷惑な話である。
近くに住んでいたら、退院後もこの人と付き合うこととなる。
そして今、いなくなっている。
テレビの音だけが聞こえてくる。
うるさいのですが・・・
ベットを離れる時は、テレビを消していってほしい。
せめて、音声を小さくしていってほしいものである。
行き先はだいたい予想できる。
談話室でテレビを見るのであろう。
なんか、アホがうつりそうで怖い朝である。