先ほどまで夜明けを見ていた。
ひさびさ見た夜明けである。
眩しかった。
生き返ってよかったと思った。
時々思うことだが、あの喀血の際、死んでいたらどうなったのだろう・・
太陽を見ていると、生きている実感が湧いた。
朝のコーヒーがうまい。
今日は談話室の給湯器でコーヒーを作ってみた。
いつもながらのインスタントであるが、美味しい。
昨日は大部屋の中でベットを移動してもらった。
真向かいの人が退院したので、その場所に変わった。
枕の向きが西向きから東向きに変わっただけなのであるが、雰囲気がガラッと変わった。
まず、窓から見える風景が変わった。
それまでは、病院の中庭が見えていたのだが、今は街並みがビルの谷間からではあるが見えるようになった。
夜になると、デパートの上にある観覧車のイルミネーションが綺麗に見える。
裟婆の世界が近づいたようである。
婦長さんに頼もうかどうかためらっていたのだが、頼んで良かった。
こんなちょっとしたことが入院生活の質を変える。
痛み止めに関しても我慢をやめてみた。
毎日、夕方になると痛み止めの谷間のため、痛みで辛かった。
夕食後の痛み止めを飲むまでじっと我慢していた。
昨日はあまりの痛さに耐えられなくなり、追加のロキソニンを飲んだ。
おかげで痛みが楽になり、いつもの憂鬱な夕方が明るく過ごせた。
我慢は、ほどほどにしておいたほうがいいようである。
肩の力を抜いて、生活するのを忘れていたようである。
大部屋に移るということで、いつの間にか気合いを入れていたようである。
さて、今日から我慢はほどほどに気楽に生活するようにしよう。