雨の朝である。
昨日は真夏のような日差しだったが、梅雨に戻った。
今日も、昼過ぎには雨が止んで、また真夏の日差しに戻るとの天気予報である。
真夏と梅雨の繰り返しの毎日である。
昨日は、新しく入った患者が事件を起こした。
ICUから出てきたばかりだというのに、ジュースを飲みたがっていた。
当然、医者の許可は出ていない。
散々ごねて、コンビニに看護婦とともにジュースを買いに行ったようである。
そして、ひと口だけという約束で飲ませてもらったようである。
そして、一時間後、別の看護婦さんが彼のベットに訪れた。
なんと、彼はおにぎりを食べていた。
彼は、コンビニでジュースだけでなく、おにぎりまで買っていたようである。
当然、お腹を切ったばかりだから絶食である。
なのに、お腹が空いて我慢できないと、おにぎりを食べたという。
こんな患者は初めて見た。
まさに自殺行為である。
厳しい病院だと、即刻強制退院である。
彼の言い分では、食べても大丈夫だという。
性格はかなりわがままである。
今までも、歩いてはいけないと言われているのに、勝手に歩いている。
いくら注意されてもお構いなく歩く。
管を体に沢山つけて歩いている。
そして、ジュースを買って、さらに、おにぎりを食べた。
信じられない行動である。
当然、家族が呼ばれた。
かなり怒られたようである。
持っているお金は全て回収された。
その時、すごく怒って拒否をした。
もう死んでもいいからおにぎりを食べたいとも言った。
結局、一日一本のジュースならいいと医者と折り合いがついた。
ごねがちである。
それから一晩経った。
彼は元気である。
彼の言っていることが正しいのかもしれない。
人の体というものはよくわからないものである。