雨の朝である。
そのせいか朝から傷口が痛むので、追加のロキソニンを頼んだ。
入院中の痛みのコントロールは難しい。
たくさん飲みすぎると副作用もある。
今週からさらに痛み止めを追加していただけに、ためらいながらも看護師に追加を頼んだ。
痛みを我慢するのは良くないと看護師はいう。
しかし、昔から我慢することが美徳であると教えられて育ってきた。
なかなか生活信条は変えられないものである。
昨日から、傷口に普通では考えられないものが張り付いている。
女性の生理用品である。
傷口から出てくる体液が多いので、ガーゼから漏れることが多かった。
そこで主治医が思いついたのが、ガーゼに加え生理用品を傷口に貼り付けるというものである。
まだ今日は漏れないようだから、順調に役目を果たしている。
ただ、傷口は胸から首にかけてあるので、貼ってある生理用品が丸見えである。
幸いにも柄物でない白いものなので、周りの人は気付かないようであるが、少し恥ずかしいものがある。
病院で用意すると高くなるので、自分で買ってくれと、主治医からの話があった。
そのため、生理用品はカミさんが買ってきたものである。
今度は柄物にしようとカミさんは考えているようである。
昨日も弁当が届いた。
私の体調が良くなったので、少しずつカミさんは仕事を増やしている。
そのため、一緒に昼ごはんを食べる機会が減ってきた。
一人で食堂で食べるのは寂しいだろうと気遣って、仕事のある日は弁当が届くことが増えた。
昨日は二食分の弁当を持ってきて、その後、仕事に出かけた。
一つは私の昼ごはん。
そして、もう一つは仕事の後、私と一緒に晩御飯を食べるためである。
相変わらずの代わり映えのない弁当である。
私の好物の御三家であるピーマンと豚肉を炒めたもの、卵焼き、塩サバはきちんと入っている。
夕食は私は病院のもの、カミさんは弁当を食べ、8時に家に帰っていった。
申し訳ないというと、日課だからと戻ってくる。
帰ってからもいろいろ家事が待っている。
朝は子供達の晩ご飯の用意をしてから出かけている。
全て、日課である。
男の私には真似のできない日課である。